左官職人とは
建物の壁や床、土堀などを鏝(こて)で塗上げる作業を得意とする職人。
平安時代の律令制度で属(さかん)=壁塗り職人とされていたことから派生し、「沙官」「沙翫」と表記されるようになった。
起源は縄文時代。生の土を団子状に丸め積み上げ土堀を作ったのが工事の始まりとされる。江戸時代には漆喰(しっくい)で壁全体を覆う漆喰仕上げという工法が広がった。漆喰は建物の耐火性を飛躍的に向上させ、漆喰の消石灰が石灰岩になる硬化過程において二酸化炭素を吸収し、室内環境を快適にする効果がある。
2020年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)にて「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」として無形文化遺産に登録された。